2008年9月20日放送のサイエンスZEROで、夢の太陽電池として、「量子ドット型太陽電池」が紹介されていました。
サイエンスZERO 第226回 科学無限大 のコーナー
東京大学先端科学技術研究センターの岡田 至崇准教授が、番組で量子ドット型太陽電池について説明していました。
量子ドット型太陽電池は、新型の太陽電池の一つです。
これまでの太陽電池では、変換効率は20%くらいですが、量子ドット型太陽電池では、40%以上も可能だということでした。
*雑誌の日経マイクロデバイス 2008年10月号には、量子ドット型太陽電池の「理論変換効率は60%以上」という記事があります。
岡田 至崇准教授によると、40%以上の変換効率になると、火力発電所なみの太陽光発電が実現できるそうです。
2030年までに、火力発電所なみの太陽光発電を目指し、2050年までには、二酸化炭素を50%削減することが目標だということでした。
計画から逆算すると、今の段階でしっかり基礎研究を行なっておかなければならないようです。
従来の太陽電池は、可視光線を使って発電しますが、量子ドット型太陽電池では、赤外線などの、人間の目には見えない光を使うことができます。
それを可能にしているのが量子ドットという、ナノレベルの構造です。
太陽光が地球に「1時間」降り注ぐ時のエネルギーは、今現在、世界中で消費されているエネルギーの「1年分」にも相当するといわれています。
もし量子ドット型太陽電池による、大規模な発電が実現できれば、太陽光の膨大なエネルギーを利用できることになります。
もちろん、製造時にはエネルギーを使います。でも EPT(エネルギーペイバックタイム)が過ぎれば、それ以降は化石燃料を使うことなく、発電できることになるので、本当に画期的なことです。
二酸化炭素を大幅に削減することも、夢ではないかもしれません。