地球に降り注ぐ太陽光のエネルギーは膨大です。たった「1時間」で、今現在、世界中で消費されているエネルギーの「1年分」にも相当するそうです。
太陽光には、いろんな波長の光が含まれていますが、地球の地表に届くのは、主に可視光線と赤外線です。赤外線は物を暖める性質があります。
紫外線の多くは、オゾン層のオゾンによって吸収されます。赤外線も大気中の二酸化炭素や、水蒸気に吸収されます。
植物は太陽光を利用して光合成を行ないますが、その効率は 0.2~2% くらいだと言われています。
太陽電池は、半導体を使って、光エネルギーを、直接電気エネルギーに変換する装置です。
市販されている太陽電池の変換効率は、ほとんどが 10~20%未満です。宇宙用では、30%以上という太陽電池があります。
しかしそれでも、太陽光のエネルギーを、全て利用できているわけではありません。太陽電池の場合は、反射や発熱によるロスが発生してしまいます。
実は現在のところ、太陽光を効率的に利用するには、光を熱エネルギーにしたほうが、変換効率が高いのです。
太陽光は、比較的簡単に、熱エネルギーに変換することが出来ます。小学生の頃、虫眼鏡で光を集めて煙を出す実験をしたことがあると思います。
例えば、太陽光で水を温めて使う、太陽熱温水器は、50%以上のエネルギーを利用できると言われています。
熱エネルギーに変換してしまえば、蓄熱もできるし、水蒸気でタービンを回せば、運動エネルギーに変換することもできます。
すると、通常の熱機関を使った発電ができることになります。
また、太陽光で空気を暖めて、風力でタービンを回す、「ソーラー・チムニー発電」があります。チムニーとは煙突のことで、周囲の暖めた空気が、上昇気流となり、煙突に集まる時に、風速が加速する力を使う発電方法です。
他には、発電とはちょっと違いますが、光エネルギーと「光触媒」を使って、水を酸素と水素に分解する方法もあります。
「水素」にすると、貯蔵することもできるし、他の場所へ輸送することもできます。
水素は燃焼する時、水しか排出しないため、クリーンなエネルギーとして、燃料電池自動車や、水素自動車にも使うことができます。
このように、太陽光を使った発電には、太陽電池以外にも様々な方法があるのです。