EPTとは、太陽光発電のようなシステムの「製造から廃棄までの過程」で必要なエネルギー分を、そのシステム自体が、どのくらいの期間で発電できるかを示す数値です。
*EPT エネルギー・ペイバック・タイムの略
確かに太陽光発電システムは、化石燃料を一切使うことなく、発電することができます。しかし太陽光発電システムでも、製造時にはエネルギーが必要です。
太陽電池の寿命は30年以上と長いので、まだ廃棄に関する部分は明確ではありませんが、製造から運用までに必要なエネルギーは、大体計算されています。
EPT = 製造から廃棄に必要なエネルギー ÷ 1年間で発電するエネルギー
EPTは、太陽電池の種類、製造方法、製造時のエネルギー源によっても違ってきます。
一般的には、太陽光発電システムの EPTは、1~1.5年とか、2~3年といわれています。
つまり3年くらいまでは、製造時に必要なエネルギー分を発電することになるので、まったく環境に負荷をかけない発電というわけではありません。
でも3年目以降からは、化石燃料を一切消費することなく、クリーンな発電が可能になります。
例えば、太陽光発電システムが20年間持つとすると、残りの17年間は、化石燃料無しで発電できることになるのです。もし30年間なら、27年間も地球環境にやさしい発電をしてくれます。
また、石油や石炭、天然ガスなどは、有限な資源で、地球上で採れる場所も限られています。原油価格の高騰が経済に影響を与えたり、資源が紛争の原因となることもあります。
それに対し、太陽光は無尽蔵です。しかも地球上のどこでも「タダ」のエネルギー源です。もちろん地域により、日照時間や日射量に差はありますが、化石燃料に比べると、平等に得ることができます。
太陽光が原因の紛争や、経済摩擦というのは、聞いたことがないので、ある意味、平和なエネルギー源と言えるかもしれません。
太陽光発電は、地球環境に優しく、平和なエネルギーを利用した発電なのです。